unakowa's diary

子どもの質問に全力で答えるブログ

鳥箱先生とフウねずみ

自分が読んだことのない宮沢賢治の小品で子どもが感想文を書こうとしていた。

気になったので読んでみたら、あまりのブラックさに驚いた。

http://www.aozora.gr.jp/cards/000081/files/1947_7225.html

主人公の鳥箱先生はある時唐突に自分を教育者と思いこむ。

一方、自分の支配下にはいった4羽のヒヨドリに対し『教育』を与えることもなく、必要な世話も義務も怠り不幸な最期を迎えさせる。

ねずみのフウが次の生徒になってしまったのは、その母親が鳥箱先生の嘘権威を盲信したためだった。その結果、息子であるフウは猫に殺されることになる。

最後の猫のセリフはこう。

『先生もだめだし、生徒も悪い。先生はいつでも、もっともらしいうそばかり云っている。生徒は志がどうもけしつぶより小さい。これではもうとても国家の前途が思いやられる。』

暗すぎる。

文中に書かれているフウの志は確かに低かったかもしれない。一方、周囲の大人の志が低いのに、子どもの志だけ高いなんてまずない。

この小品が書かれたのがいつかは知らないが、今の時代に通じる薄暗さを感じる。
それで猫は誰なんだ?