unakowa's diary

子どもの質問に全力で答えるブログ

「ティール組織」という本を読んで思ったこと

人は集まると組織を作ります。

この本は、人が作る色々な組織の特徴について書いた本です。

筆者は組織を7つのタイプに分類していますが、その中でも、一番新しいのがティール組織です。

読むのが少し難しい本ですが、将来、ティール組織が社会にたくさん増えた時代に、そういう組織で働くということは、みんなにとって実は結構大変なことなんじゃないかと思ったので、紹介したいと思います。

この本によると、人間社会の進化に合わせて組織の形も進化してきたそうです。筆者は組織のタイプにイメージしやすいよう色の名前も付けています。

 古い順に組織のタイプを書き出すと下記の7つです。

 1)無色: 原始的な少人数の組織

2)マゼンタ(赤紫)色 神秘的組織: 数百人程度の原始的な宗教で結びついた組織

3)レッド(赤)色:衝動型組織: トップの人がメンバーを力で支配する組織

4)アンバー(琥珀)色:順応型組織 軍隊のように階層を重視する組織

5)オレンジ色:達成型組織 機械のように目標達成を求める組織

6)グリーン(緑)色:多元型組織 最近のIT企業に多い社員の多様性を重視する組織

7)ティール(青緑)色:進化型組織 生き物や生態系のような組織

人間は概念が理解できないと、その存在が見えていても認知出来ない生き物なので、ティール組織もインターネットの普及で「分散した知性」という概念が理解されたため認知されるようになった組織だそうです。

今、日本にあるほとんどの会社はオレンジ型の組織です。

オレンジ組織は、機械に例えられるだけあって、戦後の高度経済成長期のように、皆でやらないといけないことが分かりやすくて、働く人がどんどん増えていった時代には向いていたと思います。

でも、最近はその問題点の方が指摘されるようになりました。
オレンジ組織の問題点は、恐怖の力を使って組織を管理するため、働く人が恐怖で疲れてしまって長期的には生産性が落ちてしまうことです。

現代は、昔と違い、誰かが疲れてしまっても、代わりの働く人がすぐに見つかる時代ではありません。

また、機械化が進んでいて、もっと生産性を上げるには単純労働ではない人間の創意工夫が必要ですが、恐怖に囚われている人からは新しいアイディアは出にくいものです。

ではグリーン組織でもいいのでは?と思いますが、この本ではグリーン組織の問題点として、組織の上の人の負担が大きいことをあげています。

ティール組織は、「自主経営(セルフマネジメント)」「全体性(ホールネス)」「存在目的」という3つのキーワードで説明されています。

「自主経営(セルフマネジメント)」は、一人ひとりが自分の頭で考えて一番良いと思う行動をとることです。

「全体性(ホールネス)」は、職場でも家庭でも、同じ一人の人間として振舞い、他の人のそれも受容するということです。

「存在目的」は、その組織が存在する社会的な意義を持ち続けるということです。

自主経営は、京セラという会社がやっているアメーバ組織に似ています。一人ひとりがプロ意識を持ってやれば、当然組織全体の生産性は高くなると思います。これに全体性を合わせると、まるでフリーランスで働く人たちの集合体のような組織がイメージ出来ます。

そして存在目的ですが。

社会的に存在する意義がない会社は、会社の仕事と役割を変えるか、無くなった方がいいという考え方があります。事業継続性という会社が長く続いていくことが大事だと考える言葉と逆の考え方かもしれません。

ティール組織では、存在目的がなくなったら、そして新しい存在目的がすぐ見つからないのなら、恐らく解散するのでしょう。

ここまで読んで、ティール組織をどう思いましたか?

自分を押し殺さず、脅されず仕事ができる環境は確かに魅力的ですね。その代わりに、働く人は個としての自律とプロ意識を求められます。

好むと好まざるに関係なく、これからは徐々に「個の自律と他との協調」という能力が求められる時代に移っていくように思います。

個の自律で一番大事なことは、自分が幸せになるために自分のやりたいことにチャレンジするということです。

でも、心が元気でないと自分の本当にやりたいことはわかりにくいものです。だから、大人になった時に困らないよう、今から時々、自分は今何にチャレンジしたいのか自分に聞いてみる時間を作ってみてください。

そして、なるべくそれにチャレンジしてみてください。

うまく行っても行かなくても、それが大人になった時、役に立つと思いますよ。